『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生35)
隆二はいつもの人懐っこい笑顔ではなく、時々見せる男らしい精悍な顔つきで廉の前に立った。
「君は…廉?」
「そうですよ!やだなぁ、今更何を…」
悪い冗談だと思って苦笑いしている廉の肩をポンと叩き、隆二はニヤッと笑った。
「いい子だね」
「え!?」
「部屋に行くから、この家にある一番キツい酒とグラス持ってきて」
「あ、はい」
廉にそう告げると、隆二はスニーカーを脱いでからポケットに両手をつっこみ、うつむき加減で自室に入っていった。
「なんか、隆二さん雰囲気変わった…」
「やっぱ臣さんの言った通り凹んでるのかな?」
「ダーダ‼️」
突然、後ろから髪を掴まれた。
「痛っ💦…理太くん、起きたの?」
「ブーブー😡マンマ‼️」
「髪、離して💦いてて…」
理太に髪を引っ張られ、後ろに仰け反っていると、臣がタオルで手を拭きながらやって来た。
「理太、起きたの?貸して」
「あ、はい💦」
「りーた、おいで」
「おーみー‼️マンマ」
廉が抱っこひもを解くのも待ちきれない様子で、理太は途端に笑顔になり、手を伸ばして臣に抱っこされた。
「腹減ったのか?おし、じゃあ飯にしような」
「たいたい😚」
「あの、臣さん」
「ん?」
「あ、いえ、なんでもありません」
「パンケーキ頼むね」
「はい」
多分、僕の思い過ごしだろう。
そう思った廉はキッチンに入ると、
先にウォッカのボトルとグラスをトレイに乗せて、走り回る子供たちをうまくかわして、隆二の部屋へと向かった。
つづく
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2020.05.01 02:41
2020.05.01 01:16