レンタ彼氏『OMI35』
小鳥のさえずりと、カーテンの隙間から漏れる陽の光で目が覚めた。
隣に…彼の姿はなかった。
ベッドから起き上がり、リビングを覗いてみる。
「臣くん?」
ソファーにもいない。
ラックに掛けていたライダースがなくなってる。
「やっぱり、夢だったの?」
切なくなってきた。
唇にかすかに残る感触も、夢なの?
水を飲もうとしてキッチンに立つと、シンクにグラスが二個置いてあった。
ハッとして冷凍庫を開けてみた。
封のあいたロック用の氷。
夢なんかじゃない。
鍵は?
玄関の鍵は閉まっている。
ドアの郵便受けを開いてみると、中に鍵が入っていた。
鍵を閉めて、外から放り込んで帰ったのね。
『明日も来るって言ったろ?』
確かにそう言ってた。
to be continued…
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2019.06.29 23:57
2019.06.29 23:07