レンタ彼氏『OMI⑪』
臣くんの息が顔に当たる。
眼鏡の奥に見える瞳。
長い睫毛を伏せた。
私も自然に目を瞑り、彼を受け入れようと少し顎を上げた。
一瞬、不安がよぎった。
臣くん似の、レンタル彼氏とキスするの?
それでいいの?
「ま…待って!」
エレベーターが止まった。
咄嗟に振り上げた手が、彼の首筋をかすった。
「痛っ…」
「え?引っ掻いた?…ごめんなさい💦」
閉まりかけたエレベーターの扉を足で止めた彼は、私の腕を取って言った。
「着いたよ、降りるんだろ?」
「ごめんね💦引っ掻き傷できたんじゃない?」
「いいよ、別に」
「大したことない」
「ごめん…」
「それよか…」
「俺を拒むんだ?」
to be continued…
3コメント
2019.05.14 14:40
2019.05.14 11:21
2019.05.14 06:33