三代目❤夢小説 『NAOTO編97』
まりあが堰を切ったように泣き出した。
「くそっ!ふざけやがって」
「直人さん⁉︎」
直人は怒りを露わにして、制止しようとする隆二の手を振りほどいて、靴も履かずに玄関のドアを開けた。
外側に勢いよく開いたドアの真ん前に男が立っていた。
「うわ!びっくりした💦」
「健ちゃん⁉︎」
「どうしたんっすか?直人さん、怖い顔して💦」
「嘘でしょ?健ちゃん何やってんの⁉︎」
隆二も直人の横に立って健二郎と向かい合った。
泣き声をあげてまりあがその場に崩れ落ちた。
「まりあ⁉︎」
直人がすぐに跪き、まりあを抱きしめた。
「どしたの?まりあポンポン痛いの?」
隆臣は二人の側に行き、下からまりあの顔を覗き込んでいる。
「隆臣、いいからこっちおいで」
臣が隆臣を呼んだ。
「健ちゃん、今来たの?」
「せやで。なんやねん、隆二まで怖い顔して」
「誰かとすれ違わなかったか?」
直己の問いに健二郎が答えた。
「え?ここ着いてからっすか?」
「マンションの前とか、誰もいなかった?」
隆二は再度通路に出て左右を見渡した。
「そういや、俺とすれ違いにフード被った背の高い奴がマンションから出てきたな」
それを聞いたまりあがビクッとして真っ青になった。
「もう…もう無理、なおちゃん、私…」
「わかったから、それ以上なにも言わなくていい」
まりあの肩を持ち、直人はゆっくり立ち上がった。
「直人さん…」
「悪いけど、しばらく部屋で二人っきりにさせてね」
「…わかりました」
よろよろと頼りなげに歩くまりあを直人が支えるようにして、二人は部屋に入った。
「なんか俺、タイミング悪かった?」
状況を飲み込めていない健二郎が隆二に言った。
「健ちゃんが目撃したパーカーの男のせいだよ」
「健二郎が目撃してなかったら、余計に気味が悪い流れだったな」
「そっか、それがハッキリしただけでも…」
「隆二!何があったんか、俺にも説明してや」
「そうだ!直己さん、SWAYが言ってた内容も詳しく聞かせて下さい」
「ああ」
「きっと今夜はもう来ないでしょ」
「健ちゃん!公園あしょびに行く?」
臣の手の中にいる隆臣が明るい声を出した。
「隆臣、おんも見てごらん、もう真っ暗だよ」
「ホントだ!まっくらね」
「おんもに行っちゃダメェ?おとーしゃん」
「遊びに行くなら、お日様が出てる昼間にしような」
「はぁい♫」
「いい子だね」
「でもね、臣」
隆二が側に来て不安な顔をした。
「こんな様子じゃ、たっくんを外に出せないよ」
「ん…まぁ、とにかく健ちゃんも入って」
「あ!健ちゃん、玄関の鍵、二重に掛けてね」
「わかった」
「まりあ、おこみのやきもう食べないのかなぁ?」
隆臣は二人が入っていった部屋を見て、呑気に首を傾げた。
つづく
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2019.03.21 00:02
2019.03.20 23:54
2019.03.20 14:51