三代目❤夢小説 『NAOTO編91』
直人が足を止めた。
「そうだ!まりあ、ケーキ買っていこ」
「隆臣くんに?」
「まりあも好きなの選ぶといいよ」
二人が方向を変えケーキ屋に入ろうとした時、フードを目深に被った男が近づき、パーカーのポケットに手を入れた。
男の表情はわからないが、口元が憎しみで歪んでいる。
ポケットから何かを取り出そうとした時、更に長身の男が近づいてきて直人に声を掛けた。
「直人」
「直己!どうしたの?」
若い男はポケットから手を出し、「ちっ…」と舌打ちをして人混みの中に消えていった。
「ちょっと気になってな。臣のマンションに行くところだ」
「ひょっとして、俺のこと?」
「ああ…」
「SWAYが妙なこと言うもんだから」
「え?なんか怖いな」
「取り敢えずケーキ買って臣ん家行ってから聞かせてよ」
「そうだな。あ!こんばんは」
直己がまりあに軽く会釈した。
「こんばんは」
まりあもぴょこんと頭を下げた。
「直己がいたら鬼に金棒だから」
「本当に、心強いね」
「直己、明日仕事あんの?」
「ああ、朝からびっちりな」
「え?使えないな」
「何かあるのか?」
「うそうそ!俺一人で充分だ」
「何のことか知らんが、困ったことがあれば、いつでも連絡よこせ」
「すぐに駆けつけるから」
「ん、ありがとね!直己」
「お二人、ほんと仲いいんですね。羨ましい…」
「嫉妬の対象にはしないでね、先生」
「直己と俺の仲の良さに、まりあが嫉妬?ないない!」
「だってさ」
「わかりませんよ」
まりあは直人の手を取り、薄く笑った。
つづく
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2019.03.14 15:25
2019.03.14 14:10
2019.03.14 13:32