三代目❤夢小説 『NAOTO編83』
「大切な人に、君は何をした?」
「なんのことですか?」
「彼女の腕に残る無数のアザのことだよ」
「どうして普段隠してあるアザのことを、あなたが知ってるんですか?」
「出会って間もないのに、もうそんなに深い関係なんだ」
「偶然目にしたんだよ。彼女の名誉のために言っとくが、君と婚約関係にある間は、彼女自身が俺とそうなる事を拒んでいる」
「当たり前です」
「あなた位の有名人なら、女性なんていくらでも選び放題でしょ?」
「人の婚約者に手を出さないでください」
「遊びなんかじゃない」
「彼女は、俺自身が心から一緒にいたいと願っている女性だ」
「一時的な同情ですよ。手に入れたらすぐに飽きるはずだ」
「婚約者に暴力を振るう君に、そんなこと言われたくないな」
「そんな危険な男の元へ、彼女を返すわけにはいかない」
「まりあは…彼女はどう言ってるんです?」
「婚約者の俺と別れて、あなたを選ぶって、はっきりそう言ったんですか?」
「いや、君の婚約者でいるうちは、自分からそんな風には絶対に言わない」
「直人さん!お願いです、彼女に…まりあに会わせてください!」
碧は急に声を荒げた。
「僕に会ったら目が覚めるはずです!」
今までの冷たい表情は一変した。
泣きそうな目をして懇願するように直人を見つめる。
実際に大きな瞳が潤んでいる。
「いや、それはできない」
「どうしてですか?」
「君はまた彼女を侮辱し、体に傷をつけるだろう」
「あの傷は…彼女が自分でつけたんです」
「は?何言ってんだ…」
「僕に構って欲しい為に…自傷するんです」
つづく
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2019.02.25 22:36
2019.02.25 14:13
2019.02.25 09:20