三代目❤夢小説 『NAOTO編58』
「なおちゃん、着いたよ」
慣れない地で旅の疲れもあってか、急激に襲ってきた睡魔に勝てず、直人はまりあの肩を借りてようやくホテルの部屋にたどり着いた。
「ありがとね…少し寝たら復活すると思うから…」
ツインベッドの片側に倒れこむように寝転がった。
「なおちゃん、靴脱がせるね」
「…」
返事の代わりに寝息が聞こえた。
「寝ちゃってる…」
うつ伏せになって寝ている直人のスニーカーを脱がせた。
「ベッドカバーの上じゃ風邪引いちゃう…」
まりあは直人に触れるのを躊躇いながらも、脇の下に手を入れて体を持ち上げ、ベッドカバーと掛け布団を引っ張り出して上から被せた。
「なおちゃん、結構重い…」
まりあがクスッと笑って、そっと直人の髪に触れると、直人の手がニュッと伸びてきてまりあを抱き寄せた。
「なおちゃん!?」
安らかな寝息だけが聞こえる。
布団の中で直人に抱き締められたまま、まりあはゆっくり目を閉じた。
早鐘のように打っていた自分の鼓動も、次第に穏やかになっていく。
まりあは、今まで経験したことがない安らぎを感じていた。
直人の腕の中で、次第にまりあの意識も遠ざかっていった。
つづく
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2019.01.26 05:40
2019.01.26 03:16
2019.01.26 03:11