『W旦那+(プラス)』 はじめてのおつかい⑭三代目妄想劇場 特別編
「いやぁ、参った❗たっくんなんでわかったんやろ?」
臣と隆二がモニターを見ているリビングに、健二郎が入ってきた。
隆二「健ちゃん近すぎるんだよ」
健二郎「そっかぁ?変装完璧やと思てたんやけどな」
臣「関西弁ダメでしょ?」
健二郎「あ‼それな!そこ変えるの忘れとったな💦」
隆二「でもたっくん和菓子屋出たところで、すぐに健ちゃんロックオンしてたよ」
健二郎「そっか、弟子にはその場の空気で師匠やてわかるんかもしれんな」
隆二「弟子入りさせたつもりはないけどね」
健二郎「それより、奥の部屋借りるで‼変装しなおさな」
臣「次は何の役にすんの?」
健二郎「大木凡人風のカラオケボックス店員でもエエけどな!ここはやっぱあれしかないやろ?」
隆二「衣装持ってきたの?」
健二郎「おつかいのスタッフさんに借りるんや」
隆二「その関西弁どーにかしないと、話した段階でアウトだって 笑」
健二郎「そうだね、ご忠告ありがとう‼隆二くん」
隆二「うわ💦とって引っ付けた様な標準語やめて 笑」
健二郎「着替えてくるわ」
臣「そういや、和菓子屋に隆臣連れていったことあんの?」
隆二「え?俺じゃないよ」
健二郎「あ、それ俺やで‼…違うな💦僕だよ、臣くん」
臣「やっぱ健ちゃんだったか 笑」
健二郎「君らの知らない所でちゃんと商店街デビューもしてるんだよ隆臣くんは」
隆二「はよ着替えてこい 笑」
臣「あ‼隆臣ケーキ屋に入ってくぞ!」
隆二「やっとおつかい本番か」
健二郎「えー‼たっくん、健ちゃん戻るまで待ってぇな💦」
健二郎は上着を脱ぎながらバタバタとリビングを出ていった。
隆二「健ちゃん早くせな終わっちゃうぞ 笑」
臣「隆臣、ちゃんとケーキのこと覚えてたんだ」
隆二「そりゃ、たっくんの食べたい物だもの。忘れるわけないよ」
ケーキ屋の自動ドアが開き、隆臣が店内に入ってきた。
若い女性スタッフが応対に出る。
あらかじめ店内にも隠しカメラが設置されている。
「いらっしゃいませ!なににしましょうか?」
白いエプロンのスタッフが隆臣の目線に合わせて姿勢を低くしている。
隆臣「イチゴのケーキくらしゃーい」
「はい、おひとつですか?」
隆臣はショーケースに両手を当てて、色とりどりのケーキを眺めている。
隆臣「イチゴいっぱいの…ひとちゅ」
大きな瞳をキラキラさせて一通り見渡し、
一ヶ所に視線が止まった。
隆臣「これくらしゃーい♪」
隆臣が指差した先には、大きなイチゴがいっぱい乗ったホールケーキが置いてあった。
つづく
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2018.12.05 04:48
2018.12.05 04:44
2018.12.05 04:25