ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島 mission13-⑩
その夜…
蜜月島付近の上空を高速で飛ぶRYUJIの姿があった。
「どこだどこだどこだ?」
ゴォオオオオ…
「俺の臣をどこへ隠しやがった?」
「首謀者がわかったときゃあ、ただじゃおかねぇぞ‼」
「一発ぶん殴るくれぇじゃ済まねぇからな‼くそぉ‼」
「臣…臣ぃ‼どこ行った?」
「お前を生涯満足させてやれんのは俺しかいねぇんだ」
「心変わりなんて、ぜってぇ許さねぇからな‼」
蜜月島は特殊なシールドが張り巡らされていて、RYUJIのレーダーには感知できない。
RYUJIはすぐ近くにいる臣の存在に気づくこともできないまま、太平洋上空を過ぎ去っていった。
「いま、アイツの声が聞こえたような…」
コテージの外に置かれているリクライニングチェアで臣が寛いでいる。
空には降るような星空が瞬いている。
「臣、少しは落ち着いた?」
隆二がマグカップに入れたホットミルクを差し出した。
「…Thank You、やっとあの木の実の効果が薄れたみたいだ」
「酷い目にあったね」
「お陰で、至福の時も過ごせたけどな」
「南国でも、夜は少し冷えるね」
薄いカーディガンを羽織って隆二が臣の膝の上に軽く腰掛けた。
「いつ日本に帰れるかな?」
「帰りたいか?」
「臣はどーなの?」
臣はマグカップを置いて、隆二の細い腰を引き寄せた。
「…俺は、今のままでもいいよ」
「ふふ、もう満足した?すっかり大人しくなっちゃったね」
「……」
ー腕の中に隆二の体温を感じる。
…なんて満たされた時間なんだろう。
そして、もっと深く
お前を知りたいって思うよ…
to be continued…
8コメント
2018.11.16 10:11
2018.11.16 09:18
2018.11.16 06:33