ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島 mission13-①
「OK Google!登坂広臣さまの好きな食べ物は?」
馴染みのない声がして目が覚めた。
ベッドの横に割烹着を着けた白いロボットが立っている。
「…びっくりした」
『カレー、ハンバーグ、エビ、牛乳です』
SPYのボディからGoogleの音声案内が聴こえた。
「広臣さま、朝食はハンバーグカレーでよろしいですか?」
眠そうに目を擦って起き上がり布団をめくった。
隆二の姿がない。
「旦那さま、朝のおつとめはお済みですか?」
「え?なんの話?」
「下着を脱がれたままで」
ぎょっとして下半身を見た。
ボクサーブリーフが膝で引っ掛かっていて、臣自身が剥き出しになっている。
「うわ‼」
慌てて布団を被った。
SPYは何事もなかったように続けた。
「では、すぐに支度します」
「朝からカレーなんか食えっか❗隆二はどこ行った?」
布団の中でごそごそとブリーフを上げた。
「隆二さまでしたら、早くに朝食を済まされて散歩に出られました」
臣は立ち上がりサイドテーブルに綺麗に畳んであった白いシャツを羽織った。
そのまま掃き出し窓から外に出た。
「お出かけですか?ご朝食は…」
「帰ってからコーヒー頼むよ。…先に顔洗ってこよ」
臣はまた部屋のなかに戻り、バスルームに向かった。
「コーヒーですね‼かしこまりました。どうぞごゆっくり」
歯磨きと洗顔を済ませ、ふと下半身に違和感を覚え、さっとシャワーも浴びることにした。
手早く髪を乾かすと、ドレッサーに置いてあったミネラルウォーターをごくごくと飲んで、また白いシャツを羽織った。
「隆二んとこ行ってくる」
いい香りをたててコーヒー豆をひいているSPYにそう告げて、臣は玄関から出ていった。
「どうぞごゆっくり」
to be continued…
18コメント
2018.11.09 03:51
2018.11.09 00:28
2018.11.08 15:06