ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島first night mission12-③
「キスしたら止まんなくなるけど、いい?」
「最後までやんの?」
「わかんない…」
「俺が受けるんだよな?」
-いつもアイツとはどうやってんの?
…なんて聞けるわけないし
「RYUJIとは…その、どっちが受け身なの?」
-俺が躊躇したことを、簡単に言って退けやがった…
「よくサラッとそんなこと聞けるよな?」
「お互いに探りあって攻める方に回ってちゃ夜が明けるぞ」
「…時間はたっぷりあるんだし、そう焦んなくても」
「朝になったらSPYが出勤してくるだろ?」
「…いたな、忘れてた」
「じゃ、おれ攻める方で」
臣が手を上げて伝えた。
「俺はじっとしてりゃいいんだな?」
「別に…動きたきゃ動いていいんだぞ」
「わかったょ…じれったくなったら動く」
「隆二…」
「あん?」
「俺、なんか萎えた…」
上から見下ろしてた臣が、ごろんとベッドに転がった。
「なんだよ?せっかく受けてやろうって覚悟決めてんのに」
「行為の前に、手順をくっちゃべる奴がいるかよ」
臣は自分の額に手の甲を当てて、顔を隠した。
「臣の言う通りだ。俺なにくっちゃべってんだろ?」
隆二は顔を隠している臣の手首を持ち上げた。
「ん?」
うっすら天使の微笑みを見せて隆二が接近してくる。
何も言わず、そのまま臣の唇を塞いだ。
-えっと…これ何度目だっけ?
MV撮影の夜、隆二のマンションでかなりの回数口づけした。
それから…あの日も。
隆二は夢心地で、多分現実だとは思っていない。
アイツじゃなく、俺の名をしきりに口に出して…
とても…
悲しそうだった…
to be continued…
8コメント
2018.11.01 13:47
2018.11.01 13:09
2018.11.01 12:13