ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島mission 11-⑨
「わぁ‼︎で…出たーっ!」
隆二が臣に飛びついた。
「アブね!シャンパンが…」
ツルツルした真っ白なボディに大きめの目、高さは2メートル近くある。
機械音などという無粋なものはなく、滑らかにお辞儀をしてロボットが自己紹介した。
「ようこそ!蜜月島へ。私は執事型ヒューマノイドロボットのSPYと申します」
臣と隆二は軽く抱き合ったままでポカンと口を開けている。
「…し、執事型?」
「SPY…」
「長旅でお疲れでしょう。おや?もうご自分達で用意されてましたか」
「SPY…なんか聞いたことあるな?えっと、ググって…」
隆二は臣から離れ、おもむろにiPhoneを操作する。
「…てか、充電切れだっつーの!」
隆二がベッドの上にiPhoneを投げた。
SPYは構わず続けた。
「すぐにメイン料理をお作り致します。お肉とお魚どちらがよろしいですか?」
臣が隆二を見て言った。
「SPYって、スパイのことじゃ…」
「スパイだって⁉︎」
SPYは少し困ったような口調で返した。
「あのぉ私、自身の命名の経緯はよく存じませんが、お二人の身の回りのお世話を仰せつかって参りました」
「こちらにご滞在中はどうぞ何なりとお申し付けください」
隆二は立ち上がってつかつかとSPYに歩み寄った。
「スパイだなんて聞いて、はいそうですかなんて言えっか!」
「一体誰の差し金でここにいるのか答えろ!」
to be continued…
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2018.10.18 09:00
2018.10.18 08:15
2018.10.18 07:13