ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島mission 11-⑧
臣はなにも言わず隆二の隣に座り、グラスにシャンパンを注ぎながら言った。
「どうした?嫌になったか?」
憮然とした表情で報道番組を見ている。
「…野暮なことは聞くなってか?」
隆二が何か言おうとしたが、同時に二人の腹がぐぅーっと鳴った。
「腹が減っては…か」
臣はまた立ち上がってキッチンへ消えていった。
「酒の肴ならいらねぇよ!」
返事はない。
隆二はまたイッキ飲みして3杯目を注いだ。
「あ‼こら、ひとりで一本開けんなよ」
白い大皿に生ハムやキャビア、クラッカーなどを盛ってきてベッドの上に置いた。
「…うそ、ここで食うの?」
「なんか文句あっか?」
「ベッドカバーやシーツが汚れたら俺らで洗濯しなきゃいけないんだぞ!」
「わかってるよ、お前が面倒だって言うなら、俺が洗濯係かって出るし」
「よく言うよ、俺より面倒くさがりのくせに…」
「その点はご心配なく」
二人は飛び上がるほど驚いて声が聞こえた方を同時に振り返った。
臣が開けっ放しで出てきたキッチンのドアの前に、それは両手を軽く体の前で組んで恭しく立っていた。
to be continued…
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2018.10.17 04:29
2018.10.17 04:26
2018.10.17 00:14