ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島mission 11-②
島の外周は砂浜に囲まれていて、ゆっくり歩いて10分程で元居た桟橋に戻ってきた。
ふと海面を見ると、クルーザーがそのまま鏡に写っているようで、透明度が高く波も静かだ。
相方の姿はない。
コテージに主がいて、事情を説明して日本に帰る相談でもしてるんじゃないか?
自分達が体験した奇妙なクルージングも、実は何かの収録で、コテージの中には大勢のスタッフと共に、直人と隆二の姿があって、先にシャンパンでも酌み交わしてるんじゃ?
現時点では悲観的な想像は出来ない臣だったが、もし何もかもが誰かに仕組まれた罠だとしたら?
ここで永久に隆二と二人で、別の船が通るのを待たなければいけない運命だとしたら?
…隆二と二人っきりで!?
色んな思いが交差していて、臣はノックもせずにコテージの扉を開けた。
靴のまま中に入ると、4~5人は座れそうなソファーとテーブルが置かれたシックな色調のリビングがあり、奥の部屋から隆二の声がした。
「あ!勝手に入ってすみませ…」
中から隆二が顔を出した。
「…臣!?足音がしたからてっきりここの住人だと」
「誰もいないの?」
「いないね」
「そっちはどうだった?もう一周してきたの?」
「…ずっと砂浜が続いてて、誰も居なかったよ」
「島の中央に小さな山があるんだね。裏口を出たらすぐ木々に覆われているよ」
「誰も住んでないとしたら、食料もないか?」
「それがさ、こっちきてよ」
to be continued…
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2018.10.10 11:58
2018.10.10 11:27