ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島mission 9-⑨
クルーザーの中はベージュを基調とした内装に、小さなキッチンやテーブル、茶色のソファーにはクッションが置かれている。
大きな窓から太陽光が差し、明るい船内だ。
「凄っ…テレビまである」
ラウンジルームに人影はない。
「どこで鳴ってるんだろ?」
臣がラウンジを抜けて奥にあった扉を開けて中に入っていった。
「隆二見てよ」
「ん?誰かいた?」
臣の後に続いて中を覗くと、清潔なシーツがピンと張られた二つのベッドが目に入った。
「うわ、広いね!ベッドルームかな?
ホテルみたい」
「こっちにはシャワールームとトイレ…」
「ゴージャスだね!」
「待って、奥に別の部屋もあるぞ」
さらに奥の部屋に進むと、ベッドや専用のトイレが設置された部屋があり、どうやらこちらはオーナーズルームといったところだろうか。
「…こんな高級ホテルみたいなクルーザー、レンタルできるんだ、いいね!」
「いや、なんか不安になってきたぞ」
「え?なに、今更他人の船だったとかやめてよ!臣…」
「…音は上から聞こえるな」
先に臣がデッキに出て二階に上がるハシゴを登った。
「ちょっと臣って!聞いてんのか?」
「隆二!音はここからだ」
「誰かいた?」
隆二がハシゴを登ると、小さな操縦席の前に臣が立っている。
「誰もいないね」
「音はここからだ」
「カーステみたいなものか…」
「でも、PLAYを押した人がいるんだろうから、その内誰か戻ってくるんじゃない?」
「NAOTOさんのクルーザーじゃなかったら、不法侵入になるかな?」
「もう遅いよ、オーナーが別人だったらきちんと説明しよ…」
突然ガクンと船が揺れた。
to be continued…
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2018.09.30 02:30
2018.09.30 02:21
2018.09.30 01:32