ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島mission 9-⑦
「NAOTOさん、遅いね…」
早朝の海風が髪を揺らす。
岸壁で臣と隆二は地べたに座り、直人を待っている。
しきりにiPhoneでLINEをチェックしている隆二をちらっと見て、「冷えるな」と言いながら臣が立ち上がった。
「どのクルーザーかもわかんないんだよな?」
「…わかったらどうすんの?」
「お前寒そうだから、先に乗船しててもいいかなって…」
「くしゅん…」
「ほら、言わんこっちゃない、風邪引くぞ」
臣が羽織っていたパーカーを隆二に向かって投げた。
「…ありがと」
「お?…あの船、RAINBOWって書いてあるぞ!
直人さんの船、あれじゃないのか?」
臣から受け取ったパーカーを袖も通さずに肩から引っ掛け、隆二も立ち上がった。
「…そんなベタな名前つけるかな?直人さんならSEVENとかつけそうじゃない?」
RAINBOWと書かれたクルーザーの近くまで来て臣が振り返った。
「意外とビンゴだったりするかも?」
「どうしてそう言えんの?」
臣の近くまで来て、言ってる意味が理解できた。
クルーザーの中から微かに音が聴こえてくる。
「…俺の、Alter Egoだ」
to be continued…
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2018.09.28 09:15
2018.09.28 01:29