『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI49 三代目妄想劇場ショートストーリー
「本当にありがとうございました」
廊下で腰を二つに曲げて、母が頭を下げた。
「お大事にしてくださいね」
隆二と臣は隆臣を挟んで歩き始めた。
「ばーば!またね♪」
隆臣が大きく手を振った。
「ありがとね…たぁくん」
隆臣は長い廊下を何度も振り返り、手を振り続けた。
エレベーターが開き、中から隆臣と同じ背格好の男の子が出てきた。
隆二達とすれ違いざまにその子の父親らしき男が子供に声をかけた。
「たぁくん、着いたよ」
隆臣が臣と隆二の手を引っ張っていち早く反応した。
「たぁくんといっちょだね♪」
「え!?」
隆二達はエレベーターに乗らずに親子の方を見ていると、先程別れた老母の声が聞こえてきた。
「…たかし‼来てくれたのかい?」
「ばーば!」
「お母さん、たかしがどうしてもママに会いたいと言って…」
臣と隆二は全てを察したように、何も言わず隆臣の手を引いてエレベーターに乗り込んだ。
つづく
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2018.09.20 14:17
2018.09.20 03:50
2018.09.20 03:16