三代目❤夢小説 『NAOTO編15』
退園時間が近づいてくると、園内が慌ただしくなってきた。
直人と隆二はお迎えの邪魔にならないように、隅の方に並んで立っている。
黙って立っていてもどうしてもひときわ目立つ。
園児たちを迎えに来たママたちは、
みんな女子高生のように頬を赤く染め、二人に軽く会釈をして保育園を出て行く。
園児たちも口々に直人たちに声をかける。
「おにいさん、さようなら!」
直人「はい、さようなら♫」
「おヒゲのしゅてきなお兄さんバイバーイ♫」
隆二「バイバイ 笑」
隆二「みんな可愛い〜♪」
直人「やっぱ女の子の方が、言葉もしっかりしていて社交的だね」
隆二「おウチでもマーマとたっくさんおしゃべりするんでしょね」
直人「隆二…」
直人は隆二の肩をポンと叩いて言った。
「ほーら、やっぱママばっかりじゃん…って思ってるんでしょ?」
隆二「…ほんとに、マーマのお迎えがほとんどで」
直人は隆二と肩を組み、保育園の外を指差して言った。
直人「家庭の事情も千差万別なんだ。
ほら!イカツイパパのお迎えが来たぞ!」
園内に、見た目はイカツイが、人の良さが見て取れる満面の笑顔をした男が入ってきた。
陽翔「パパだ!」
隆二「陽翔くんのパパ?」
直人「あんなイカツイママ、いないっしょ?」
「直人!この間はありがとう。隆二さんですよね?」
直人「よっ!お疲れ様」
隆二「あ、初めまして!今市です」
「先日は嬉しいお手紙をいただいて、ありがとうございます」
陽翔の太陽のような笑顔ってお父さん譲りだな…と、納得してしまうくらいに屈託のない笑顔がそこにあった。
隆二「いえ、こちらこそです。今後ともよろしくお願いします」
「ご、ご丁寧にどうも」
直人「ちょいちょーい!二人とも硬いんだよ 笑」
隆二「そーですか? 笑」
「やっぱり緊張するよ 笑」
直人「まぁ、わからんでもないけど」
直人「奥さんどーなの?順調?」
「ありがと、おかげさまで順調だよ」
隆二「陽翔くんのマーマ、どうかされたんですか?」
すると、パパの手の中にいる陽翔が隆二を見上げて元気よく言った。
陽翔「陽翔のママね!赤ちゃんがいるんだよ♫」
隆二「あ…赤ちゃんができるんですね!陽翔くん、お兄ちゃんになるんだ!良かったね♫」
陽翔「ありがと!ひなた女の子がいいな♫」
「ありがとうございます!陽翔、妹がいいって聞かないんです 笑」
陽翔「ぜーったい妹だよ!」
「お天道様にしかわからないよ…っていつも言ってるんですが 笑」
隆二「素敵ですね…」
目の前で太陽の笑顔を見せる親子につられて、直人や隆二も幸せな気分になった。
つづく
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