『W旦那+(プラス)』 the "no" phase⑧ 三代目妄想劇場ショートストーリー
「めっちゃ動いてるし…💧」
子供たちはみんな静止することなく
ゆらゆら動いている。
「うん!そやな…💧ルールを説明してない俺が悪かった」
「けんちゃん、どーしゅるの?」
「わっかんなーいね」
「踊るんじゃないの?」
「あんな、みんなえーか?」
「はぁーい♫」
「健ちゃんが目を閉じて、だーるまさんが…ってゆうてる時は前に歩いてオケ!」
「後ろちゃうで!前に進めやで」
「はーーぁい♫」
「次に、転んだ!…って言うたらそこでストップや!」
「健ちゃんが、転んだ!って言うてすぐに振り向いた時に、動いてるお友達を見つけてこっちに呼びます」
ちびっ子たちはわかってるような、
わかってないような雰囲気で、ユラユラしたり、手を上げたりしている。
「健ちゃんに呼ばれたら、捕虜になってまうから、みんな動かんように頑張りや!」
「ほりょだって」
「けんちゃん、ほりょってなに?」
「鬼に捕まるんや」
「けんちゃんとこ行くんだって」
「いーね♫」
「……」
「そうやって捕虜にならんと前に進んできた子が俺にタッチした後、だるまさんが転んだ…って言うてる間に、今度は出来るだけ遠くに逃げます」
「逃げるの?」
「そやで!みんな転ばんように逃げや」
「ストップ!って言ったらそこで止まるんやで」
「はーい」
「そこで健ちゃんに最初にタッチした子が、何歩進んでいいかを言います」
「それはなぁに?」
「健ちゃんが進んでもいい歩数や」
「健ちゃんが、例えば10歩とか、言われた歩数だけ進んで、俺にタッチされた子が次の鬼になるんやで」
「オニやだね」
「うん、やーだ」
「そいじゃ俺がずっと鬼でええから、いっぺんやってみよか?」
「おー!」
「いくで!」
「だーるまさんが…転んだ!」
振り向くと、半数以上のちびっ子達が動いている。
片足で立ったり、左右に揺れてたり、とにかくみんな楽しそうに笑っている。
「…しゃーないなぁ 笑」
「いま自分で動いたと思った子、みんな前においで!」
「は〜ぁい♫」
全体の3分の2が健二郎の元にやってきた。
健二郎の周りに鈴なりになる。
「凄い光景やな 笑」
ママ達もクスクス笑って、中には我が子の楽しそうな姿を写メに撮ってる人もいる。
「ほないくで!だーるまさんが…転んだ!」
ほとんど年長のちびっ子達の中で、隆臣と太陽が踏ん張っている。
どうやら太陽が隆臣に耳打ちして、動かないようにリードしているようだ。
(お?えー感じやんか、たっくん)
「はい!そこのピンクのTシャツ着た女の子と、緑の帽子かぶったボク、健ちゃんとこおいで!」
「はぁぁ〜い♫」
「捕まった方が楽しそうやな 笑」
つづく
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2018.06.01 03:56
2018.06.01 03:40