『W旦那+(プラス)』 the "no" phase④ 三代目妄想劇場ショートストーリー
公園に入り砂場につくと、すぐにあちこちから声がかかる。
「あー!健ちゃんだ」
「健ちゃん、遊ぼ‼」
隆臣くらいの幼児から年長さんの子供だけでなく、保護者からも声がかかる。
「健二郎さん、こんにちは!」
「隆臣くんモヒカンにしてる❗可愛い‼」
「あ、どーも、こんにちは」
砂場にいた子供たちが健二郎の側に集まってきた。
「健ちゃん今日なにすんの?」
「ん?今日はなにしよっかな?この砂場のはしっこ使ってもええか?」
「どーぞ」
「健ちゃん、見てていい?」
「ん?えーよ」
隆臣は健二郎の隣でぷん😡とふくれている。
「ありゃ?たっくん、プーさんみたいな顔してんと、お友達にご挨拶できるかな?」
「あいさちゅ?」
公園デビューしてからも、なかなか同じ年頃の子供たちに溶け込めず、隆臣はいつも健二郎やELLYと遊んでいる。
健二郎は、隆臣と陽翔が出会った話は知らない。
健二郎のすぐ横にいた男の子が隆臣の前に来た。
「太陽だよ」
「たいよう?」
「たっくんもお名前言えるかな?」
「たぁくん」
「おっ?ちゃんと言えたやんか」
「たぁくんっていうの?遊ぼ!」
「やんっ😡⚡」
「あー…ごめんね。今日はダメみたい💧」
太陽のママが健二郎に聞いた。
「隆臣くん、イヤイヤ期ですか?」
「そうみたいっす」
「うちも真っ最中で…まだ今日は言うこと聞いてくれてる方で…」
「そうですか、大変っすよね」
「健ちゃん早くあしょぼ!」
隆臣が催促してきた。
「あっ、すんません、おれこれから基地作るんで」
「基地?凄い‼ 笑」
健二郎は砂場を囲んである木の枠に腰かけて、持ってきたスコップで砂を掘り出した。
隆臣の他にも3人の幼児が健二郎の周りにボーッと立ってそれを見ている。
「じっと見てたら健二郎さんやりにくいでしょ?ママと滑り台行こうね」
ママたちが気をきかせて、子供たちを連れていった。
「完成したら声かけますから」
つづく
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2018.05.28 10:55
2018.05.28 10:41