ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission6-⑬
「臣、着いたぞ」
いつの間にか眠っていた。
東の空が明るくなっている。
夜通し走っていたのか?
俺の体には、RYUJIが着ていた革ジャンが掛けてある。
「掛けてくれたんだ。サンキュー…」
「見ろよ。太陽が昇る」
海が一望できる高台にいる。
地平線から太陽が顔を出した。
RYUJIが煙草に火をつける。
「日の出なんて、久しぶりに見るよ」
「よく眠ってたな。夕べ徹夜でもしたのか?」
…夕べは隆二と…
そういえば、何があったんだろ?
今頃はアイツの隣で眠ってるのか?
RYUJIは大量の煙を吐きながら俺の顔を見た。
「朝っぱらにそんな切ないツラすんなよ…」
「…切ない顔?…俺が?」
「クルマの中でおっ始めようか?」
「…今はそんな気分になれない」
「んだよ、のりが悪いな」
「……」
地平線に、生まれたばかりのように、汚れのない太陽が昇る。
「…RYUJI?」
「なんだ?」
「…愛してるって…言ってよ」
その顔で…
その唇で…言ってくれよ…
「こっぱずかしい野郎だぜ、…ったくよう」
RYUJIは煙草の煙を限界まで吸い込んだ。
俺、煙草吸えなんて言ってないのに…
RYUJIが俺の顎をくいっと上げ、唇を押し付けて煙を吹き込んだ。
「…!?」
ジャスミンの香りだ。
隆二の…
急に押さえようのない欲望が湧いてきた。
目の前でRYUJIが愛を囁く。
愛しい相方の…
その顔で…
その声で…
「…愛してるよ、おみ」
駆け引きのない恋愛は…
楽なのかもしれないな…
to be continued…
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2018.05.21 23:22
2018.05.21 23:20
2018.05.21 23:16