ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission6-⑪
ロボット工学研究所に程近い救急病院。
救急受付の窓口に、隆二が息をきらして走り込んできた。
「す…すみません‼二時間ほど前に救急搬送された、紅という患者は?」
「お調べしますので、少々お待ち下さい」
待っている時間ももどかしい。
「火災事故って…いつも慎重なアイツが…何やってんだ?」
つい口をついて出てしまう。
「今市さん?」
後ろを振り返ると、スマホを手にした雅が立っている。
咄嗟にがしっと雅の両肩を掴み、隆二が声を荒げた。
「恭介は?どこだ?」
「痛いよ!案内するから離して」
ハッとして隆二が手を離した。
雅は肩をパンパンと払って言った。
「もう救急措置を終えて病室に行ったよ。
しばらく入院だって」
「けがの具合は?重症なのか?」
「自分の目で確かめてくれば?」
「何号室だ?」
「1207…特別室だよ」
急いでエレベーターに向かおうとして立ち止まり、雅の方を見た。
「…お前は?行かないのか?」
「あんたが来たら僕は用なしさ」
「…教えてくれて、ありがとう」
そう告げると早足で病室へと向かった。
「お待たせしました。…紅様のお連れ様…」
雅は軽く舌打ちして受付に告げた。
「もう病室に行ったから…」
to be continued…
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