ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission6-②
控え室の奥…
臣と隆二は隣同士でシャワーを浴びている。
薄い仕切りの向こうから、隆二の吐息が聞こえてくる。
「はぁーっ…キツいな…」
臣はシャワーを止めた。
腰に薄いタオルを巻き、先に出た。
何気に隆二の後ろ姿を見る。
シャワーカーテンなどない、スポーツジムにあるような狭い囲いの中、相方は両手を壁につき、ただシャワーに打たれている。
引き締まったバランスのいいカラダを無意識で見つめる。
視線を感じた隆二が振り向いた。
「なに?」
「いや…別に」
「……」
「…RYUJIとは…その、うまくやってんの?」
「なに?気になるんだ」
「別に、そういうんじゃねーけど…」
「…楽でいいよ」
「…本気で言ってんの?」
「そうだよ」
「…それって、お前の望んでいたことだろ?」
「……」
「お互いにハッピーエンドで良かったじゃないか」
壁についた手に力が入る。
「…お前の想いって…その程度のものだったのか?」
ザーッ…
シャワーの音に消されて、隆二の声がよく聞こえない。
「ん?いまなんてった?」
「なにも言ってねーよ…」
「…変なヤツ…先に着替えて待ってるぞ」
「ああ…」
隆二は顔を上げ、またシャワーに打たれた。
…まるで、
倦怠期真っ只中の、冷めきった夫婦のようだ…
to be continued…
2コメント
2018.05.11 18:16
2018.05.11 08:41