ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission5-①

「隆二さま、バスタオルとお着替えの浴衣、こちらへご用意しております」




「ありがとうございます」





都内、高級住宅街の一角、紅邸に隆二の姿があった。



昨日はここで恭介と一夜を明かし、広い浴室で一人朝風呂に入っている。




紅  恭介の祖父は、政界で名を馳せた元防衛省の官僚。




父は都内に複数の不動産会社を経営している。




総資産は数十億と言われている。




恭介は一人息子だが、政界はともかく、父の経営する会社も継がず、ロボット工学の第一人者として、その分野で広く知られている。




父の会社は継がなくてもいいが、いずれ妻をめとり、跡継ぎをもうける約束をしている。




男色も…祖父の代からの趣向だ。




総ヒノキの風呂にゆっくり浸かりながら、隆二は思いに耽っていた。




いずれ恭介は花嫁を迎え、跡継ぎをもうける。




今の関係もその時に…終わる。




白濁したお湯でバシャバシャと顔を洗った。




浴室の窓から空を見上げる。




俺の心は…




いったいどこにあるんだろう?




to be continued…










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