ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission3-③
「先に行ってなさい」
「先生、今日はレポートのチェックよろしくお願いします」
雅がチラッと隆二に視線を送る。
挨拶もせず、クスッと笑った。
隆二がムッとした。
朝食を食べる手を止めて、細い腰をくねらせて去っていく後ろ姿を見ている。
また恭介がスッと手を伸ばした。
「ペチン!」
口元に触れようとしたその手を、隆二は軽く払った。
「なに怒ってんだ?」
「趣味悪いな、恭介…」
「ん?雅のことか?」
「ピンクのフリルシャツなんか着て…あいつホントに男かよ」
「そんな事には興味なかったんじゃないのか?」
「…あいつ、俺の顔を見て笑った…」
恭介が手元のおしぼりを投げた。
パシッと受け取る。
「笑われるのが嫌なら口元拭きなさい」
「……」
隆二が口元を拭きながら、恭介の顔を睨んでいる。
「俺、もう行くよ」
隆二が席を立った。
「今夜は?来るんだろ?」
「行かねぇ、俺だって付き合いがあるんだ」
「隆二」
恭介は、パーカーのポケットに手を突っ込み、去ろうとする隆二の腕を掴んだ。
「俺がなぜ雅らと戯れると思う?」
「知らない。興味もないし…」
「…お前が心を許さないからだ」
「あれ以上濃厚な愛し方要求してんのか?」
「交わりのことを言ってるんじゃない」
「自分の心に聞いてみるんだな」
「……」
to be continued…
6コメント
2018.04.12 14:09
2018.04.12 09:38
2018.04.12 09:04