ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission2-⑦
誰だ…?
ホテルのスタッフ?
寝ていたことにして、無視しようか?
更にドンドンと大きくノックした。
「登坂くん、いるのはわかってるんだ。ここを開けなさい」
アイツの…
紅 恭介の声だ…
「取り込んでるから、ちょっと待って…」
ドアに向かって声をかけると、俺はベッドから降り、隆二の下半身に掛け布団を被せた。
「恭介?やめんの…」
隆二は両手を上げて、アイツを探している。
ここからという時に…
チェーンをつけたままなんて、みみっちい真似はしたくない。
俺がドアを全開すると、憎い恋敵が足早に入ってきた。
「間に合ったようだな…」
隆二が寝ている側(そば)に立ち、金髪をひと撫ですると、相方は恭介の首に手を絡めた。
「恭介…どこ行ってたの?」
「こんなに飲まされて、この格好…」
「どうしてここがわかったんだ?」
「まさか…発信器でもつけてるのか?」
「大切な恋人なんでね」
「連れて帰るよ」
こんな状況で俺を責める風でもない…
「おい!運んでくれ」
恭介がシーツで隆二をくるみ、ドアの外に向かって指示を出した。
同伴者がいるのか?
「いや、そのまま寝かせてやってくれ。オレが出ていくから」
俺はテーブルに置いていた自分のiPhoneを手に取り、部屋を出ていこうとした。
「こんな格好にしといて…よく言えたもんだな」
恭介の言葉が胸に刺さった…
to be continued…
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2018.04.07 13:22
2018.04.07 12:53