三代目❤夢小説 『直己編29』
どうにも納得がいかず、老人に尋ねてみた
「この廃屋には…どんな方が住んでいたのですか?」
「子供の頃に聞いた話じゃが、なんでも老夫婦の二人暮らしじゃったとか…」
「若い娘さんは居ませんでしたか?」
「そんな話は聞いたことがないのう」
袴に忍ばせてあった腕時計を見る
次の撮影まで時間がない
俺は老人に一礼をし、撮影所に戻った
控え室に戻ったらスタッフが騒いでい
た
差し入れの木箱を開けてみると、おはぎではなく、土で固めたものが並べてあったという
「妖怪の仕業じゃ…」
「おはぎ持ってくる妖怪なんて聞いたことがねーよ」
「毒入りだったりして…」
「どっちみち土でこしらえてたら、誰も食べやしないし…」
「あっ!直己さん、その風呂敷…」
竹の葉模様の風呂敷は確かに存在し、俺の手にあった
彼女が妖怪?
まさか…
冷んやりした手だったが、人の息づかいがあり、体も温かだった…
カメラマンが、タヌキにでも化かされたんだと何とかスタッフをなだめ、全ての撮影を無事に終えた
「でも確かあの女性…直己さんの知り合いだって…」
まだ納得していないスタッフのお尻を叩き、カメラマンとスタッフは先に東京へ帰っていった
つづく
夢小説ですが、直己さん目線でストーリーが進んでいきます。
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