『W旦那+(プラス)』第147話 三代目妄想劇場

隆二はキッチンでミルクを温めながら、目の前のリビングで珍しそうに隆臣を観察している臣を見ている。




(いつも自信に満ち溢れて、男らしくて、俺様的だったのに…)




(今はすっかり大人しくなって、心ここに在らずで、別人の様だけど…)




(ボーッとして、つかみ所のない今の臣も…俺好きだな)




(やっぱ戻ってなかったんだな…俺との記憶…)




(歌唱やダンスは問題なくこなせるし、メンバーや家族、友人とも普通に会話出来るのに…)




(俺との記憶だけ…手放しちゃったんだね…)




「あっ!いっけね…」




ミルクが沸騰している。




慌てて火を消した。




隆二はミルクをカップに注ぎながら、
臣に声をかける。




「着替えとか…靴…あとベビーベッドも買いに行かなきゃ」




臣「え?それって、引き取ること前提?」




隆二「俺とお前の遺伝子を受け継いだベイビーだよ」




「顔を見て、腕に抱いたら、もう離したくないよ」




臣「…わかる」




隆二は臣の言葉を聞いて明るく笑いながら、トレイにカップを三つ乗せてリビングにやってきた。




隆二「ほんと?」




臣「うん」




隆二「隆臣育てていい?」




臣「……」




隆二「いや、言い方が変だな」




「俺が隆臣育てるから、もうしばらくここに居ていい?」




臣「好きなだけ居ればいいけど…」




「俺の子供でもあるんだから…」




「二人で一緒に育てようよ」





End

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