『W旦那+(プラス)』第138話 三代目妄想劇場
一方で理愛は、「O」と「R」のサンプルを掛け合わせることにより、二人の関係を修復し、
自分は愛する剛典との子を宿す目的で、
剛典との性交を望んだ。
成功すれば自分の星に帰り、夫とは別れ、
一人で子供を育てるつもりだった。
本来の目的は、夫とは完全に別なものになった。
しかし本命の剛典も一向に手を出さない。
二人のオーナーの精も必要だったので、理愛はどうしても剛典だけを選べず、それが足枷となった。
「O」と「R」を採取出来ないことを暗号で伝えると、夫はサキュバスを派遣してきた。
仮にも五年間世話になった二人を、
生命に危険が及ばないからといって、
悪魔の手に掛けるわけにはいかない。
そこで、夫には告げずに、サキュバスが来る前に、理愛自身が二人の精を吸いとっていた。
サキュバスに操られていたのではなく、
実際は理愛がサキュバスを操っていたことになる。
サキュバスにはその都度新鮮な牛乳を与え、
理愛自らが採取したサンプル「O」と「R」は、店の業務用冷凍庫にそっと隠しもった。
夫はサキュバスが少しずつ採取していると信じこんでいた。
理愛は本来の目的とは別に、サキュバスを使うことで、二人に謎解きをさせ、再接近を試みた。
そして、採取した精を利用し、二人の遺伝子を受け継いだ子供を作り、二人の仲を元通りにしようとした。
そこには五年分の恩もあった。
End
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