『W旦那+(プラス)』第117話 三代目妄想劇場

余韻に浸る間も無く、ゲストルームの扉を激しく叩く音が聞こえた。




「隆二⁉︎大丈夫かっ?」





直己の声がする。




ベッドの上に仰向けに転がっていた臣が、ビクッと反応して飛び起きた。




「直己…さん?」




隆二は意識が朦朧としている。




「隆二⁉︎開けるぞ!」





ガチャガチャやっても開かないところをみると、臣が中から鍵を掛けたのだろう。




今にもドアを蹴破りそうな勢いの声がして、隆二は力を振り絞り、慌てて横にあった掛け布団を手繰り寄せ包(くる)まった。




声を出そうにも出ない…




次の瞬間…




ドゴッ‼️





激しい音がしてドアを蹴破って直己が入ってきた。



臣は全裸のまま、ベッドの上に仁王立ちになっている。




直己は何も言わず、手にした鞘付きの刀を顔の前で真横にかざし、




もう片方の手でお経を唱える形をとり、静かに呪文を唱え始めた。




途端に臣が首の辺りを掻きむしって悶え苦しみだした。




「ぐわぁぁぁぁ…おのれ」





形相が一変する。




目は真っ赤に光り、口から尖った牙が見える…




隆二(臣…⁉︎)




直己は怯(ひる)むことなく、目を閉じて呪文を続ける。




「んっ‼️」





直己が更に気合を入れ呪文を唱えると、




もはや臣のそれでは無くなった悪魔の形相で、唇から長い紫の舌を出し、




真っ黒な煙を吐き出した。




隆二(臣の中に⁉︎)




隆二が声も出せずにその光景を見ていると、




臣がすっかり吐き出した煙は徐々に悪魔の形を現わし始めた。




ふっ……と糸が切れたように、その場に崩れる臣…




「おみっ⁉︎」





隆二がかすれた声を絞り出すと、直己は呪文をやめ、隆二に向かって叫んだ。




「臣なら心配ない!」





まさか⁉︎





悪魔が乗り移ってたのか?





…あの時…⁉︎







End





6コメント

  • 1000 / 1000

  • マヤ

    2018.01.22 14:43

    @さくらさくらちゃん❤こんばんは😃🌃 心配かけてすみません😢⤵⤵ 前に書きためてたのもあって、のんびり更新してます。 直己さん♪見せ場です(≧∇≦)
  • さくら

    2018.01.22 14:33

    マヤちゃん、大丈夫ですか? インフルの高熱に悪寒、本当につらいですよね。そんな中、更新ありがとうございます。 直己さん、素敵すぎる。カッコいい!臣くん、いつもの臣くんに戻れるかな。やり直そうと言った時の二人になれるかな。
  • マヤ

    2018.01.21 21:56

    @KaoKao!!!Kaokaoちゃん🎵おはようございます(^^)金曜日に即効性のある点滴をすぐに打ったのですが、症状が出始めて2日以上経ってたので、効きが悪いようです。多分今日また点滴かと… 情報ありがとうございます🙏✨ インフル…キツイですね(>_<)