『W旦那+(プラス)』第100話 三代目妄想劇場
「隆二?」
「…もう別れるなんて言わない?」
「…ん、誓うよ」
隆二を抱き寄せる臣。
「辛い思いさせて…悪かった」
隆二の額に「ん…」と唇を当てて、
「チューしよ」と臣が言う。
臣がチュッと音を立てて軽くキスをする。
すぐに隆二の目を見て、エクボを作り笑顔を見せる。
隆二は臣の顔に手を当て、親指で臣の目の下のホクロに触れる。
(このホクロも…)
スッと指をスライドさせて、エクボに触れる。
(このエクボも…)
臣の唇をゆっくりとなぞる。
(この唇も…)
臣は笑ってジッと隆二を見て「ん?」と首をかしげる。
(愛しい…)
隆二が臣の唇を大きく包み込む。
「んっ…りゅう…」
お互いを抱き合い、激しいキスを交わす。
舌を絡ませながら、
「んっ…ん…おみ…」
隆二の吐息混じりの声を聞いていると、臣の心に、
(隆二とすぐに一つになりたい)
(一つに溶け合うくらい…何もかも奪いたい)
どす黒い感情がこみ上げてきた。
その感情を抑えるように、自分を戒める。
(ダメだ…SWAYもリビングで待ってる)
(ゆっくり時間をかけるって…いま約束したばかりじゃないか…)
臣の中で二つの感情が入り乱れた。
キスの途中で突然、相方の舌に噛みつきたい衝動に駆られ、慌てて唇を離した。
「ん…どうかした?臣…」
隆二はトロンとした目で臣を見つめる。
「ん…いや、なんでもない」
「SWAYも待ってるし、程々にしとかないと…」
自分に言い聞かせるように、臣が言う。
「そうだね。…聞いてよ、臣。SWAYって凄いんだよ」
隆二は安心しきった様な笑顔を見せて、臣の腕の中でSWAYから聞いた話を聞かせる。
隆二の声が、なぜか遠くに聞こえて、
臣の心は落ちつかなかった。
End
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2017.12.24 15:32
2017.12.24 14:40
2017.12.24 09:31