『聖夜③』(続•臣隆妄想劇場88)ショートバージョン
健二郎がリビングを見渡している。
健二郎「結構さっぱりと綺麗にしてるよな」
臣「俺は基本面倒くさがりだけど、
あいつが割と綺麗に整頓してるって感じかな」
健二郎「うまくいってんねんな」
臣「そだね」
健二郎(おーっ…否定せぇへんとこがまた…)
臣「健ちゃんはどうなの?付き合ってる人とか…」
健二郎「今んとこいーひんな。今は仕事と釣りに夢中や」
臣「そっか…その気があっても、これだけスケジュール詰まってると難しいよね」
健二郎「まぁ、縁があったら、俺も子供好きやし、早よ結婚したいんやけどな」
臣「そっか…」
健二郎(あれ?おれ今、ゆーたらアカンことゆーたかも?)
するとキッチンから隆二の声が聞こえた。
「ちょっ…おーみ!ちょっとヘルプぅ!」
臣「言わんこっちゃない…健ちゃん、あと任せた」
健二郎「オケーッ」
前掛けを着けながら、急いでキッチンへ向かう臣の後ろ姿を見て、
(そんな気ぃ使うこともないか。二人幸せそうやし)
シャンパンをちびちびやりながらラジコンを組み立てていると、キッチンから美味しそうな香りが漂ってきた。
健二郎「よっしゃ!完成。チョロいもんやな♪」
そう呟いて何気にクリスマスツリーを見る。
(幸せな家庭の象徴やで…)
(俺も嫁さん欲しいなぁ…)
そんな事を考えながら振り向きざまにシャンパングラスを取ろうとして
手があたり、テーブルの上にこぼれた。
「あっ…しまった」
健二郎は立ち上がり、キッチンへ向かった。
健二郎「隆二~!なんか拭くもん貸して…」
小声で言いながらキッチンを覗くと、
隆二「臣、唐揚げ粉鼻についてるよ」
臣「えっ?マジで?取ってよ」
隆二が手を伸ばそうとして、ふと目が合い、吸い寄せられるようにキスをした。
健二郎はサッと身を隠し、胸に手を当て深呼吸する。
健二郎(え…えらいとこ見てもーた…)
(十分覚悟はしてきたつもりやけど…
めっちゃ自然に言葉も交わさんとキスしよったで…)
(やっぱ、独り身の俺にはヘビー…)
(邪魔せんとこ…)
音を立てずにリビングへ戻り、近くにあったティッシュでこぼれたシャンパンを拭き取った。
(よーし!今日は潰れるまで飲むぞ)
続く
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2017.12.20 03:46
2017.12.20 03:28
2017.12.19 23:01