『W旦那+(プラス)』第90話 三代目妄想劇場
そんな日が続いたある日のこと、臣と隆二が仕事を終え理愛の店に行くと、
店内は真っ暗で理愛の姿はなかった。
隆二「え?どういうこと?理愛ちゃんはどこ?」
臣が急いでスマホを取り出す。
今日はスタジオ入りしていたので、スマホの電源はOFFにしていた。
1時間ほど前に、剛典からLINEが入っていた。
夕方お店に寄ったら、理愛から寒気がするので早く自宅に連れて帰って欲しいと言われ、先にマンションに帰るとの内容だった。
理愛は合鍵を持っている。
直己は単独の仕事があり、今夜は来ない。
二人は走り出した。
隆二「臣‼︎ベッドルームに牛乳は?」
臣「SETしてないよ!」
隆二「急ごっ‼️」
隆二は嫌な予感がした。
臣のマンションに着き、玄関のドアノブを回す。
「ガチ」と音がした。
鍵はかかっている。
隆二「臣っ‼️鍵!」
臣「あ…焦ると出てこない…」
臣はジーンズの後ろポケットから鍵を取り出し、ドアを開けた。
玄関に理愛や剛典の靴はない。
臣「取り敢えずベッドルームへ…」
臣がスニーカーの紐を解(ほど)くのに手こずっていると、隆二が一足先にベッドルームへ向かった。
臣「あ!…隆二っ!気をつけろ」
ベッドルームのドアを開けた隆二の姿が見えなくなった瞬間…
「うわっ!」
隆二の声がした。
「えっ⁉︎隆二!」
慌てて廊下を駆け出す臣。
ドアが全開になり、隆二が床に尻餅をついている。
「臣っ❗️くんなっ‼️」
隆二が叫んだと同時に、この世のものとは思えない様な、悍(おぞ)ましい
鳴き声が聞こえた。
「きぇぇぇぇぇぇぇぇ…」
臣が隆二の側に来てベッドルームの中を見ると、長い舌を出したあの悪魔が
天井付近から二人を見下ろしている。
鋭い鍵爪の様な手を構え、隆二に襲いかかろうとしていた。
End
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2017.12.14 14:26
2017.12.14 14:02
2017.12.14 12:18