『W旦那+(プラス)』第86話 三代目妄想劇場
臣はベッドルームの扉を見ている。
隆二「え?俺にはちょっと理解できない…理愛ちゃんは操られてんでしょ?」
臣「それも、今の段階では憶測だよ」
隆二「…だいぶ煮詰まってきたぞ…
一服しようよ、臣」
臣「ああ…」
隆二「コーヒーがいい?それともホットミルクにする?」
そう聞いてすぐ、あっ…とあの夜のことを思い出す。
そういえばあれから臣は何もしてこない。
臣「ん?ああ、コーヒーで」
隆二「オケ…」
コーヒーを用意しながら、隆二は考えている。
隆二(さすがにもう、俺のことは諦めたのかな?)
隆二はキッチンに立ち、無意識で自分の唇に触れた。
(俺は…?俺の気持ちはどうなんだろ?)
リビングでスマホを弄る臣の横顔を見る。
(あの時の心の傷は癒えないけど…)
(ほんとに許せないのか?…臣のこと…)
(唇と…体は…臣を求めてるんじゃ…)
「ほい」と隆二がコーヒーを手渡すと、
臣は「サンキュ」と言って、隆二の方を見ないでカップを取ろうとし、
隆二の手に触れた。
臣はハッとして隆二の目を見つめる。
隆二も、臣の手に包まれたまま、臣の目を見ている。
「あ…ごめん…続きだけど…」
臣がカップを受け取る。
「うん…」
隆二は自分のカップを両手で持ち、
臣の隣に腰掛ける。
隆二(心が一番安らぐ場所…か)
隆二はごく自然に、臣に寄り添い耳を傾けた。
End
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